オリゴ糖
♪「糖として吸収されないオリゴ糖」♪♪ってCMに流れていますが、
糖なのになぜ吸収されない?
そもそもオリゴ糖って何?
「体に良さそう」「腸内環境(お腹)に良さそう」いったイメージはあると思います。
しかし、それ以上の知識は持っていないという方がほとんどですよね。
そこで今回は、オリゴ糖についても解説していきます。
オリゴ糖とは
オリゴ糖の「オリゴ」はギリシャ語で「少ない」という意味なのですが、これには、糖の数が関係しています。糖は、1個の糖から成り立つ「単糖」(ブドウ糖、果糖)、単糖が2~10個結合した「オリゴ糖」(ショ糖、乳糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等)、それより多くの単糖が結合した「多糖類」(デンプン)と分類することができます。オリゴ糖は、少ない数の単糖が結合していることからこの名前がついています。また、オリゴ糖には、砂糖の成分「ショ糖」や牛乳に含まれる「乳糖」のように、消化酵素によって分解されて体のエネルギー源になる「消化性」のオリゴ糖と、消化されずに大腸まで届く「難消化性」のオリゴ糖があります。
一般的に知られているオリゴ糖は、難消化性のオリゴ糖のことを言います。
オリゴ糖のメリット
カロリーが低い
砂糖カロリーは、1gあたり4Kcalに対しオリゴ糖は、1gあたり2Kcalと約半のカロリーとなり、砂糖と置き換えて使用する分にはダイエットに効果的と言えます。
脂肪が蓄積されづらい
糖質・エネルギーとして吸収されづらいということは血糖値の上昇にも影響を与えづらいので、余分なエネルギーが脂肪細胞に蓄積されるリスクも低くなります。
ビフィズス菌を増やす
オリゴ糖は胃で消化されづらく、大腸に届いてビフィズス菌を増やすためのエサのような役割を果たします。
ビフィズス菌が増えることによって腸内が弱酸性の状態に傾き、それによって悪玉菌の活動を抑制する作用が望めます。
腸内が弱酸性の状態に傾くことで、カルシウムなどのミネラルが吸収されやすくなるという作用も同時に望めますので、ビフィズス菌を増やす事は良いことずくめです。
最近何かと話題の「腸活」には欠かせないビフィズス菌ですので、その原動力となるオリゴ糖はまさにベストパートナーと言えるのではないでしょうか。
オリゴ糖の種類
「オリゴ糖」と一口に言っても実は糖の結び付きによって様々な種類があります。
商品名を見て「フラクトオリゴ糖?」「ガラクトオリゴ糖?」「何がいいの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
そこで一般的に販売されている5つのオリゴ糖について簡単にまとめてみました
フラクトオリゴ糖
野菜や果物などに含まれるオリゴ糖。ショ糖を原料に作られるもの。
ラフィノース
砂糖大根(ビート・てんさい)から作られるオリゴ糖。ビフィズス菌のエサになりやすいとされている。
ガラクトオリゴ糖
母乳や牛乳、乳製品に含まれるオリゴ糖。乳糖を原料に作られるもの。
イソマルトオリゴ糖
しょうゆやみりん、ハチミツなどに含まれるオリゴ糖。とうもろこしを主な原料とするもの。
大豆オリゴ糖
大豆やマメ科植物に含まれるオリゴ糖。基本的には大豆から作られるもの。
ちなみにこの5つの中で
最も甘みを感じやすいのは大豆オリゴ糖
整腸作用が高いとされているのはラフィノースとなります。
また、イソマルトオリゴ糖については消化性のオリゴ糖ですので、他の難消化性のオリゴ糖に比べて腸に届きづらい性質を持ちます。
オリゴ糖のデメリット
置き換える際に量が増えてしまいがち
オリゴ糖は砂糖よりも甘みが弱いため、砂糖と同じ甘さを求めて置き換える場合にオリゴ糖を多く入れてしまいがちです。
そうなってしまっては置き換える意味も半減してしまいますので、砂糖と同じグラム数で置き換えるように心掛ける事が大切です。
ちなみにオリゴ糖の1日あたりの摂取目安量は2~10gとされています。
砂糖と比べると価格は高め
上白糖やグラニュー糖などと比較すると、オリゴ糖の価格はやや割高となります。
上白糖は1kg300円~400円ほどで購入出来ますが、オリゴ糖は1kg800~1,000円ほどとなっており、同じ量で置き換えるとなるとお財布にはあまり優しくないです。
食材の置き換えに関しては継続してこそ意味を成すものですので、ランニングコストが高めになってしまいます。
摂り過ぎは体調を崩すリスクあり
オリゴ糖の1日当たりの摂取目安量は2~10g程度とされています。
10gといえば小さじ2杯ですので結構少なめです。
オリゴ糖の摂り過ぎはお腹を下してしまったり、お腹が張ったりする原因にもなりますので、過剰な摂取は控えましょう。
また、オリゴ糖には腸内環境の”慣れ”がある程度必要だったりもします。
例えば10g摂取してみてお腹が張ったり下痢になったりするようであれば、次からは量を少なめにしつつ、徐々に慣らしていく事が大切です。
オリゴ糖を摂ったからといって急に腸内環境が改善されるわけではなく、過敏性腸症候群の人は摂取を控えるように推奨されていたりもしますので、自分の体と相談して見極める事が大切と言えるでしょう。
知らないうちに人工甘味料を摂取してしまう事も…
オリゴ糖自体は比較的甘さ控えめですので、砂糖に近い甘さを出すために甘味料を添加している商品が結構あります。
原材料欄にはもちろん記載していますが、「オリゴ糖だからヘルシーでしょ」と原材料欄も見ずに購入してしまうと、知らないうちに人工甘味料を多く摂取してしまっていたという事にもなりかねません。
甘味料すべてが悪というわけではありませんが、健康を意識してオリゴ糖を選択したのに体へのリスクを取りに行ってしまうのは本末転倒です。
購入する際に原材料欄を確認する事で避けられるデメリットですので、きちんと確認をしましょう。
安価な商品ほど甘味料を使用している割合が多いような気がします。
まとめ
オリゴ糖を普段の食生活に取り入れるにあたって大切なのは、デメリットの部分を意識することです。
・ヘルシーだからといって摂り過ぎない
・甘味料が入っていないか原材料欄をチェックする
特に上記2点は重要なポイントですので、必ず意識するようにしましょう。
砂糖から置き換える事で腸活のメリットもありますし、健康志向の方やダイエッターの方には特におすすめと言えるでしょう。
腸の健康はお肌にも繋がりますので、内側からの美容の面でもおすすめです。
価格こそ少々割高ではありますが、お菓子作りでもしない限りはそこまで大量に使う事は無いですし、まだ使ったことが無いという方はこれをキッカケに乗り換えてみてはいかがでしょうか。
2021.12.05